誤魔化しか、決別か。
間宮兄弟 スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/10/20
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基本的にダメだと思った映画は観てもここにはほとんど挙げていないのだけど、これは各所で(どこ?)評判がいいだけに言わせてもらうが、具体的に、構造的に誰かこの映画の良さを教えてください。全く良さがわかりません。
まずこの兄弟関係にどうやっても感情移入どころか何の情感も持てない。グリコじゃんけん・ヒコーキ飛ばし等、勝手にやってろと、とにかく彼らの全てがこの上なく痛々しい。(この痛々しさが重要なキーワードになり得るのに・・)
例えばこんな兄弟がいたとして、不安や葛藤・・彼らの思いはもっと切実に違いない、こんな2人をみて心が和むはずなんかないんだ、それはただの同情である。森田芳光は何を思ってこれをハートウォーミング的作品として仕上げたのか?(原作は未読)その真意がわからないし物語の落とし所もよく分からない。彼ら主人公は何を学び、僕らはそこから何を学ぶべきか?
現状維持でいい、間宮兄弟は成長も成熟もしない、多くを望まない。
嘘つけ!お前らはまた違うビデオ屋の店員や新任の女教師をパーティに誘い。あわよくばお付き合いをし、あわよくば結婚をし、兄弟生活の脱出を試みるに違いない。そしてどちらかが取り残される、相棒を失った1人の幸せとは何なのか?新しい相棒を得た1人は本当に幸せなのか・・・僕の観たい映画はそんな映画だ。
1.5点は沢尻エリカの可愛さにのみ
入射角と出射角の関係。
- 作者: 小阪修平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/08
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- 作者: 海野弘
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/03/11
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表現における模倣と模写
■みなさんこんにちは、より細かい位置付けをと星取りを10点満点(20段階)にしました、以下ザッと・・
- ■「運命じゃない人」 監督・内田けんじ
- 演出・脚本非常に上手い、劇場デビュー作、驚き。
- ■「蟲たちの家」 監督・黒沢清
- 悪くない、「蟲になりたい・・・」セリフリピートが怖い。
- ■「サマータイムマシンブルース」 監督・本広克行
- これもまた構成が上手い、上野よい。
■以下購入
- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09/15
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- 作者: 宮崎哲弥
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/10
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- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: イプシロン出版企画
- 発売日: 2006/09/01
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ほか何かあったっけか?
ありもしなかったこと、捏造。
- 出版社/メーカー: ハピネット
- 発売日: 2006/04/28
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最近、若干偏った作品ばかり観ていたのでたまにはこういうものも、と思い観てみる。元々竹中直人の作品は個人的にそれほど嫌いではなく「無能の人」「連弾」などは、なんだかんだで邦画ランキングのそれなりに上のほうにくる・・・と思う・・それなりにね・・
竹中の一連の作品は彼独特のクサい演出が観る人に合う、合わないで好き嫌いの別れるところだろう。それは竹中の出演する映画にもいえていて、彼が「あの」オリジナルの歌を歌うときや「あの」独特の踊りを踊るときにある種の気恥ずかしさが湧いてくるのは確かで、本当は監督は「いや、竹中さんやりすぎです・・」といいたいところをグッと堪えているという現場が想像できるのだが、竹中自身が監督、つまり自分をプロデュースする時には彼は非常に心得ていて「あの」過剰なスタイルがうまく演出される、というか映画全体が「あの」雰囲気になるのでそこまで過剰さは気にならず、むしろ映画的に映えたりするのである。
劇中、学生時代は影が薄く、気持ち悪がられていた主人公が、大人になりモテモテな状態だったりその他ご都合主義的ロマン主義な部分*1も目立つが、こういう願望を投射した映画が必要ないということは決してない。
竹中に惚れる女、原田知世、中島唱子、水田芙美子の3人がなかなかよく、水田に関しては知らなかったのでネットで調べる→幻滅・・のパターン。
- 出版社/メーカー: 東宝
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役所広司のあのニンマリとした悪巧みの顔は誰にも真似できない。
今まで一度も腹を抱えて笑ったことの無い検閲官の向坂が、ラスト、作家の椿の書いた台本を腹を抱えて笑うわけだが、問題は「いかに台本が面白くなっていったか」という事ではなく、検閲官演じる役所が「いかに面白くなかったものを面白いと思えるようになっていったか」という部分、洗脳のプロセスにある、つまり笑いを共有することは、この場合「お約束」というイメージの共有なくして成立しないのである。
笑いの解らない向坂に「こういうことが面白いということなんですよ」を教育する椿、次第に向坂も「そういうことが面白いということなのか」を解るようになる、それが本当に面白いかは別にして*2・・・表現を統制していたはずの国家権力(向坂)が、最終的に表現を統制される側にまわるという皮肉さをもって、そこに新たな構造の問題が表出する。
この「構造」と「イメージの共有」が示唆する文化・社会のありかたに脚本の三谷幸喜がどこまで意識的なのかは知らないが、監督の星護の今後に期待しましょう。
★★☆3.5
人もゾンビも幽霊も
「動けるんだったら、最初から動けよ。」 ゾンビとは誰にも他ならない我々自身である。
我々は人の心拍、脈が止まり瞳孔が開いた地点で「臨終」、つまり人である事を終わりとしている。以降それは人ではなく屍として処理されていき、我々もまたその人は死んだんだと認識するべく、その為の儀式をとり行う。
ゾンビを目の当たりにした時我々は、私が「死んだ」とき、本当に私は死んでいるのだろうか?という難問にぶつかる。
まぁ何が言いたいかというと、人もゾンビも幽霊も・・・生きているのだか、死んでいるのだか、なんかよくわからん人騒がせ*1な連中だなぁと・・・
とにかくこの3者の組み合わせは映画的に異例です。観ましょう。
*1:ゾンビ騒がせ・幽霊騒がせ
意味論からの脱却
■「紀子の食卓」 (新宿K's cinema) 絶賛上映中 ★★★★☆4.5
監督:園子温 出演:吹石一恵 つぐみ 光石 研 吉高由里子
「逆噴射家族」「家族ゲーム」よりも過激な「家族」賞賛映画。「家族」という虚構を現実的に営むことが困難であるならば、私たちは家族であるという「現実」を虚構化するほかないじゃないか! ロードショーという事で再度アップ。観てない人はさっさと観なさい。
今後も『気球クラブ、その後』が秋に『HAZARD』が冬に、続々と公開が控えとります。『エクステ』はいつ頃か?園子温の製作ペース2ヶ月に1本・・畏ろしい。
■MEMO 「私のいない向こう側」ラスト(未定)、落とし所として、着地する瞬間にその着地面の底が抜けている感じというか、階段を下りていて、もう一段あると思いきや、なくてガクっとなる感じ。脱臼。