君を、未来は、待っている。
■『時をかける少女』(吉祥寺バウスシアター)
〜9/29
監督:細田守 出演(声):仲里依沙 石田卓也 板倉光隆
★★★★☆4.5
やっと観た、「時かけ」。各所で大絶賛の嵐なので、まぁ今更ではあるが・・素晴らしい。DVDじゃなく是非劇場で!! 取り戻せない時間、青春・・大人が観れば切なく、子どもが観れば大切な何かがわかる。(id:rickenbaka氏の隣でわたくし号泣・・)
千昭「未来で待ってる」
真琴「すぐ行く。走って行く」
本当に未来で千昭は待っているのだろうか?つまり今・現在ほど、人も居ない、野球もない未来を真琴は望むだろうか? 真琴は野球のある、あの絵のある未来を作っていこうとする筈である*1。真琴が未来へ向けて駆け出した時、何を失ってはいけないかに気付いた時、千昭のいる未来は「if」の未来になってしまう。その真琴が望む未来に千昭は存在しない(真琴のいない未来にこそ千昭は存在する)かもしれないのである・・・では、なぜ二度と会えないことをわかっていて、千昭は「未来で待っている」と告げたのか?なぜ、真琴は「すぐ行く。走って行く」と答えたのか? 千昭と真琴が実際に未来で会うことの可能・不可能性は、さほど重要ではない。
未来(千昭)は現在(真琴)に「未来で待ってる」と告げ*2
現在(真琴)は未来(千昭)に「すぐ行く。走って行く」と答えた。という事にこの映画の主題があるのではないか。
散々劇中に参照される「私のため・あなたのため、にやった事が結果、私を・あなたを、不幸にする」の輪から逃れられない。という選択の残酷さを踏まえ、且つそれを承知の上で、我々がいかに、希望的に、未来を創造していくべきか・・・「21世紀を生きる我々」にとっての「未来」の在り方を考えるべく、フレームを追い越し、真琴は時を駆ける。
もうすぐ終わります、是非劇場で!絶対劇場で!!